wild poker~ワイルドポーカー~
ダイヤの6とクラブの8 【side‐J】
「お前……どうして」
俺の叫びと重なる様に、男の擦れた呟きが聞こえた。
それと同時に拘束されていた手が自由になる。
視線を向ければ、そこには両手を血だらけにして、割れた窓ガラスの破片を握り締める、霧島さんの姿が見えた。
彼女の白い肌を真っ赤な鮮血が滴り落ち、それは何故か俺の身体を突き動かす。
それから先の時間は……とても遅く感じた。
そして俺達の《思考》が交じり合う様に重なる。