wild poker~ワイルドポーカー~
「おいおい、何をメソメソしてるワケ?ウッザい敵が消えて、生き残れたんだから万々歳じゃねェの~?お前等全員あの男を殺そうと思って、力を合わせてあの男を殺した。だから全員生き残れた。これ以上おめでたい事があんのかねェ~?ケケケッ!!」
「……黙れ!!」
「おお~怖~い。俺様がワザワザ褒めてやってんのに~」
コウモリがそう言ってワザとらしく羽を竦めて見せたその瞬間、それまで部屋の隅で立ち尽くしていたあの女の人が、静かに男の落ちて行った窓へと歩いて行く。
それから彼女は何も言わないまま窓枠に足を掛けると、そのままその上に立った。