wild poker~ワイルドポーカー~
「……何を……」
その俺の擦れた問いに、彼女は微かに振り向き、それから小さく口を開く。
「誰にも分からないわ。人の……《心》なんて」
そう言って彼女はまた俺達に背を向け、そっと空を見上げた。
彼女の見つめるその先には、燦々と光っている太陽が見える。
まるで泣いている様な強い風が彼女のボロボロのワンピースを靡かせ、それは何故かとても……切なく俺の目に映った。