wild poker~ワイルドポーカー~
……殺してやろうと思った。
今、この場で、このクソガキを殺して、この腐ったゲームを終わらせてやる。
そんな事を考えながら何の躊躇いも感じずに、その引き金を引く。
そこから放たれた弾は……少年の身体を突き抜け、後ろの壁へとめり込んだ。
しかし少年は血を流す事も、その身体を揺るがす事もしないまま、クスクスと笑い続ける。
俺が撃ったはずのその弾は、何故か少年の身体を《すり抜けた》かのように、後ろの壁にめり込んでいる。
しかしそれを無視して何度も引き金を引き、残っていた弾が全て放たれても、カチカチと引き金を引き続けた。