wild poker~ワイルドポーカー~
それから今まで居たビルを出て、真っ直ぐにエリアの境界線を目指す。
さっきまで眩しい位に光っていた太陽は、今はビルの陰へと隠れて行く。
そんな夕暮れの街を茫然と眺めながら、ただ静かに歩き続けた。
それから暫く歩き続けエリアの端へと辿り着けば、地面を真横に区切る様な《赤い線》が見える。
「……これが境界線か」
あの森で誰かに追われエリア移動した時には、足元を見ている余裕なんて無かった。
そんな事を考えながらそっと赤い線を見下ろせば、それは微かに淡い光を放っている。
そんな不思議な光を見つめたまま小さく息を整えると、そっと後ろを振り返った。