wild poker~ワイルドポーカー~
「で、そんなに入手が困難なモノを……どうしてアンタは持っているんだ?」
その問いと共に少し鋭い視線を向けると、男は何か考える様に俺から視線を逸らし……深い溜息を吐いた。
「……あんまり言いたくないんだけどさ。実は……死体からかっぱらった」
その男の答えに少し眉を顰めると、男はバツの悪そうにシュンと肩を落とす。
「お前はまだ知らないかもしれないけど、この世界では殺し合いが当たり前の事だ。互いに殺し合って、共倒れになる事が多い。傷を負いながら逃げたとしても、医療設備のないこの世界では死を待つだけだ。そんな行き倒れた死体が、ゴロゴロ転がってんだよ。そこから……ちょっと頂いてきたの」
その男の説明に半信半疑ながらも、小さく頷いて返す。