wild poker~ワイルドポーカー~
辺りは一面、赤く静かに燃え滾る溶岩が埋め尽くし、それが冷えて固まっているのか、初めからそう創られているのかは分からなかったが、足場が悪く歩き難い。
何とか進める道はあるようだったが、バランスを崩して溶岩にでも突っ込んでしまったらどうしようかと、そんな不安が過る。
しかしこんなに暑そうな溶岩やらマグマやらが噴き出す火山地帯真っ只中だというのに、不思議とそこまで熱さを感じなかった。
気温は真夏のアスファルトの上……といったくらいだろうか。
汗こそ掻くが、焼けて皮膚が爛(ただ)れるとかは無さそうなので……少し安心する。
そっと空を見上げれば、そこには灰色の厚い雲が覆い、太陽の姿は見えない。
辺りを照らすのは溶岩の赤い光のみで、その酷く禍々しい光に照らされながら、フラフラと歩き続けた。