wild poker~ワイルドポーカー~
「あ、カードがありますよ」
黒咲さんのその言葉と共に液晶の上へと視線を向ければ、そこに一枚のカードが置いてあるのに気が付いた。
「《ハートの8》だ」
そう小さく呟いて、無造作に置かれたままのカードを手にする。
「でも、どうしてこんな所に?」
「たぶんこのエリアで死んだプレイヤーのカードだね。24時間経って死体が消える時に、カードはそのエリアのゲームテーブルに移るんだ。ま、ここに慣れたプレイヤーは、大抵そのカード狙いでゲームテーブルを巡ってるんだけどね」
俺の問いに須藤さんはそう答えると、キョロキョロと辺りを見回す。
「だからゲームテーブルの周りには、プレイヤーが集まり易い。カードも取った事だし、もうエリア移動しよう」
その須藤さんの言葉に皆が頷こうとした……その時だった。