wild poker~ワイルドポーカー~
「まぁ、そんなもんでよかったら、お前にも分けてやる。その代わり俺と協力して、ここから脱出する方法を考える。俺を完璧に信用しろなんて言わない。ただ互いの利益の為に、手を組まないかと言っているんだ。……どう?」
そう言って男は首を傾げると、俺の答えを待っている。
「……どうして、俺に声を掛けた?もしも新人の皮を被った人狩りとやらだったらどうするつもりだ?」
「……う~ん。なんとなく……かな?それにここに染まった奴は、お前みたいな《瞳》をしていない。汚い下水のドブ川みたいな淀んだ目をしてる。そう……なっちまうんだよ」
俺の問いに男はそう答えると、微かに悲しそうに瞳を揺らした。