wild poker~ワイルドポーカー~
「お前!!ふざけんなよ!!お前のせいでバレたんだからな!!」
必死に走りながらそう非難の言葉を浴びせると、コウモリはワザとらしく羽を竦め、それからニヤリと笑って見せる。
「しょうがねェだろ?悪魔は約束を破れねェンだよ」
「はぁ!?」
コウモリの呟いた言葉の意味が一つも理解できないまま、あからさまに眉を顰めて見せた。
それからそっと後ろを振り返れば、遥か後方を……灰色の影が追って来るのが見える。
「追ってきてる―――――!!須藤さ―――――ん!!」
余りの恐怖に思わず先頭を走る彼を呼ぶと、《とにかく走って!!》と当たり前の答えが返って来た。
しかし足場が悪いのと、岩場や山があるせいで、真っ直ぐには走り続けられない。
それに霧島さんと黒咲さんはもう限界の様で、ゼイゼイと呼吸を荒げながら、すでに足元が覚束ない。