wild poker~ワイルドポーカー~
「あ~あ。絶体絶命、大ピンチ!!」
そんなコウモリのムカつく声が聞こえ、それと共にそっと後ろを振り返る。
するとそこにはとんでもないゴツイ銃の銃口を俺に向ける……《灰色の影》が見えた。
「……ジョーカー」
思わずそう小さく声を洩らすと、そっと霧島さんの手を引いて、彼女を俺の後ろに隠す。
そのまま真っ直ぐに、目の前の灰色の男を睨みつけた。
すると灰色の大きな布を纏ったその男は、そっと顔に掛かっている布を捲る。
彼の隠れていた顔が露わになり、それをゴクリと息を呑んで見つめた。