wild poker~ワイルドポーカー~

「あ~あ。絶体絶命、大ピンチ!!」

そんなコウモリのムカつく声が聞こえ、それと共にそっと後ろを振り返る。

するとそこにはとんでもないゴツイ銃の銃口を俺に向ける……《灰色の影》が見えた。

「……ジョーカー」

思わずそう小さく声を洩らすと、そっと霧島さんの手を引いて、彼女を俺の後ろに隠す。

そのまま真っ直ぐに、目の前の灰色の男を睨みつけた。

すると灰色の大きな布を纏ったその男は、そっと顔に掛かっている布を捲る。

彼の隠れていた顔が露わになり、それをゴクリと息を呑んで見つめた。
< 355 / 449 >

この作品をシェア

pagetop