wild poker~ワイルドポーカー~
「……どうしてお前は俺を助ける」
その呟く様な俺の問いに、藤谷が微かに息を呑んだのが分かった。
それと共にそっと目を開ければ、正面に座っている藤谷と真っ直ぐに目が合う。
「それとも利用しているのか?……俺を」
その俺の言葉に、藤谷は小さく首を横に振って……それから困った様に笑った。
「千尋ちゃんには理解出来ないかもしれない話だけど……聞く?」
藤谷はそう言って小さく首を傾げたまま、俺の答えを待つ。
それにコクリと頷いて答えれば、藤谷は微かに息を吐いて、それからそっと口を開いた。