wild poker~ワイルドポーカー~
ハートの6 【side‐J】

揺らいでいた世界が形を取り戻し、そして見えたのは……鍾乳洞だった。

「……ここは」

そう小さく声を洩らし辺りを見回すと、まるでモグラの穴の様な洞窟がどこまでも続いている。

足元には水が溜まり、天井からもポタポタと水滴が落ちてくる。

そっと頭上を見上げれば、ゴツゴツした岩肌が見えるだけで、その先に空が見える事は無かった。

「洞窟エリアだ。ここは結構面倒なエリアだなァ。道が迷路みたいになってて、なかなか進むのが面倒臭いぜェ?ケケッ」

コウモリはそう言って小さく羽を竦めて見せる。

そんなコウモリを横目に洞窟内を見回す。

不規則に抉られた洞窟の中には、太陽の光は届いていない。

しかし少し薄暗くはあるが、近くに何があり、誰が居るのか、ちゃんと見る事が出来る。

それはこの洞窟の岩が……微かに光っているせいだろうか。

淡いブルーの光りを放つ不思議な洞窟を見つめ、それからゆっくりとコウモリに視線を向けた。
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