wild poker~ワイルドポーカー~
「……どう……して」
それ以上の言葉は出て来なかった。
ただこのイカレタ状況が理解出来ないまま、二人を見つめ続ける。
すると這いずる様に雪村が動き、それからゆっくりと藤谷を見上げた。
「……あな……たに……とって……マズ……イ……状……況……じゃ……ない…の?…ふじ……たに……さ……ん」
地面に倒れている雪村はそう言ってクスリと笑うと、ゴホゴホと夥しい血を吐いた。
それを見てハッと我に帰ると、そのまま雪村の元へと向かって走る。
「雪村!!しっかり……」
そう言って彼女へと向かって伸ばした俺の手を、雪村はそっと掴むと、それから小さく首を横に振った。
「……仕…方の……ない……事……これ…は……私……が……弱か……った……せい」
そう言って雪村は自嘲気味に笑うと、手にした拳銃をそっと投げ捨てる。
するとまたゴホゴホと激しく咳き込み、恐ろしい量の血を吐いた。