wild poker~ワイルドポーカー~

あれからコイツは……目を覚まさない。

ジョーカーの言った通り、死んではいないみたいだったが、傷だらけの痛々しいその姿に、言い表せない不安が募る。

……《ペナルティ》

コイツは確かにそう言った。

俺に教えてはいけない《何か》を教えようとしたせいで、こんな悲惨な状態になってしまったらしい。

「……お前、ホントになんなんだよ」

そう呟いてコウモリの頭をそっと小突くが、それにコウモリは何の反応もしなかった。

それに困った様に眉を顰めて、もう一度【マーク】を確認すると、時刻は《6月27日 3:24》を示している。

するとあれから何度もエリア移動を繰り返していたせいか、もうこんなに時間が過ぎていた。

……ジョーカーはどうなったのだろうか。

それに……須藤さん達も。

そんな事を考えながら、そっとズボンのポケットに手を触れる。

そこには俺が今まで手に入れたカードと、そしてジョーカーから手渡された……《ロイヤルストレートフラッシュ》の役揃いのカード達が入っている。
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