wild poker~ワイルドポーカー~
相違 【side‐J】

「アンタが……やったのか」

その震える俺の問いに、目の前のその《女》はクスクスと妖艶に笑った。

その笑みは俺達が今まで見てきた彼女の面影を一切感じさせず、眼鏡の外されたその顔は、まるで良く似た別人の様にさえ見える。

「ええ、私がやりました。彼、結構隙の無い人でなかなか大変だったんですよ?でも私が女性だったせいか、気を抜いたのが運の尽きです。まだまだ甘いって事なのかもしれませんね」

そう言って黒咲さんはまた妖しく笑い、彼女が向ける銃口がユラユラと不気味に揺れた。

「さぁ、霧島さん。……貴女のカードを渡してくれますか?」

黒咲さんはそう言って優しく笑うと、真っ直ぐに霧島さんに向かって手を差し出した。
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