wild poker~ワイルドポーカー~

「私がこのゲームに参加したのは……四ヶ月前。ここに来る前は小さな会社の事務として働いていました」

急に語り出した彼女に眉を顰めるが、黒咲さんは気にせず続けた。

「友達も家族も居ず、私はいつも一人でしたが、それなりに頑張って生きていました」

そう言って黒咲さんは笑い、遠い昔を思い出すように微かに目を細める。

「私の両親は私が十歳の時に警察に捕まりました。実の娘を児童ポルノに出演させ、利益を得た罪で」

その至って冷静な彼女の言葉に、小さく息を呑む。

「そう、私は実の両親に売られ、来る日も来る日も、汚い大人達の玩具にされて生きていた。母の宝石やブランドバッグの為に、父のギャンブルやキャバクラに通う資金の為に……そんなくだらないモノの為に、私は地獄の様な夜を幾度も繰り返してきた」

淡々と話続ける彼女からは、何の感情も読み取れない。
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