wild poker~ワイルドポーカー~
「何度神様に縋ったか分からない。そして何度神様を呪ったかも。だって神様は私を救ってはくれなかった。どんなに泣いて叫んでも、許しを請い、祈っても……誰も助けてはくれなかった。その時、私は気付いたんです。自分を守るのは、そして自分を救えるのは……《自分》だけなのだと」
そう言って黒咲さんはクスリと笑う。
「だから私は、自分の力で生きてきた。残酷なあの世界の中を、必死にもがいて、足掻いて、泥に塗れながらも……絶対に諦めたりしなかった。私のツイてない人生……全て取り戻そうと、死に物狂いで頑張ってきたつもりです。だからこの世界に放り込まれても、私は諦める気なんて更々無かった。絶対にこの世界から逃げ出してやるって……そう決めたんです。だから……思ってしまう」
そこまで言って黒咲さんは、真っ直ぐに霧島さんを見つめる。
「どうして貴女は守られているのだろうかと」
「……え?」
黒咲さんの呟きに、霧島さんは小さく声を洩らす。