wild poker~ワイルドポーカー~
選択 【side‐J】
「どうして……だってクラブのマークが」
「この世界では、カードさえあれば色々と便利なアイテムが手に入るんですよ?自分のマークを偽装するアイテムもね」
困惑する俺の呟きに、黒咲さんはそう答え、クスクスと可笑しそうに笑った。
「知りたい事はもう無いですよね?少し寂しいですが、二人とはお別れですね」
そう言って黒咲さんは、真っ直ぐに銃口を向ける。
「それじゃ……さよなら」
その黒咲さんの無機質な呟きと共に、彼女の細い指が引き金に掛かる。
それを見て全てを諦める様にギュッと目を閉じた瞬間、パンパンと乾いた銃声が響き渡った。
……しかしいくら待っても、何の痛みも衝撃も感じない。
恐る恐る目を開けると、そこには……異様な光景が広がっていた。