wild poker~ワイルドポーカー~
地下室の最奥に、一人の少年の姿が見えた。
少年の腕は左右に鎖で繋がれ、壁に張り付けられている。
その一糸纏わぬその幼い身体の至る所に、禍々しい金属が付き刺され、透き通る様な白い皮膚は、所々が切り裂かれ、焼かれ爛れていた。
指の爪は剥がされ、指先には細い針が幾本も突き刺さったままで、そこはすでに変色し腫れ上がっている。
乱れた漆黒の髪に隠れる様に少年の瞳が見え、しかしその左目は抉り取られていた。
虚ろな空洞をただ見つめたまま、茫然と立ち尽くしていると、少年はそっと顔を上げ、そして……笑った。
「……やぁ、待ってたよ」
そう言って少年は嬉しい様な悲しい様な不思議な顔をして、真っ直ぐに俺を見つめる。
しかし痛々しい空洞が俺に向けられ、それからそっと視線を逸らすと、少年の小さな吐息が聞こえた。
「ああ、気にしないで。これは僕の《夢》だから……痛みも感じない」
少年はそう言って笑うが、俺は彼に視線を向ける事が出来なかった。