wild poker~ワイルドポーカー~
ハートのQ 【side‐A】
「ゲームテーブルだったらここから行くのは遠いな」
そう言って藤谷は【マーク】のマップを見つめたまま小さく息を吐いた。
「それだったら、いっそエリア移動してみれば?」
「エリア移動?」
初めて耳にするその言葉に小さく首を傾げると、藤谷はコクリと頷いて見せる。
「そう。エリアってのはこのマップの通りに正方形の形をしている。さらにそれを九つの正方形に区切ったのがエリアのAとかFとかのアルファベットの部分。で、九つに区切ったものをさらに九つに区切ったのが、3とか7とかの数字の部分。要するにエリアは81個の細かいエリアに分けられているんだよ」
藤谷は地面を枝でガリガリと彫りながら、正方形の図形を書いて説明を続ける。