wild poker~ワイルドポーカー~
「あ、ほら!!ここからゲームテーブルまですぐだぞ!?エリア移動して正解じゃん!?ね?……ね!?」
「……まぁ、いい。とっとと行くぞ」
まるで媚びるかのようなその藤谷の姿を冷たく見つめると、そのまま雪の積もった道無き道を歩き続ける。
途中、積もっている雪に手を触れてみたが、雪は冷たく、そして俺の熱で溶けて行く。
その雪はちゃんと本物の様に思えた。
しかしそんな冷たい雪が辺り一面を覆っていると言うのに、藤谷の言った通り、それほど寒くは無かった。
……肌寒い。
そんな程度の雪山。
一体どういう原理でそんな事が可能なのか分からなかったが、今は特に考える事は止めておく。
「お、これだ。この森の中。そこにゲームテーブルがあるみたい」
【マーク】を見ていた藤谷は、そう言って目の前に生い茂る森を指差した。
雪の積もった白い森。
雪で白く染まった木々の隙間を、二人でノソノソと進んで行く。
それからどうでもいい話を二人でしながら、暫く歩いた時だった。