wild poker~ワイルドポーカー~
ハートの10とダイヤのK 【side‐J】
ゼイゼイと呼吸を荒げる体を無視して、ただ何も考えず前へと進んだ。
俺の腰ほどまでに伸びた草や、鬱蒼と生い茂る木々の隙間を何とか越えながら、薄暗い森を突き進む。
「おいおい、目的も無いまま動き回っても、無駄に体力を消耗するだけだぜェ~?」
パタパタと俺の周りを飛び回るコウモリはそう言って呆れた様に笑った。
しかしそれを無視して、黙々と森の中を進み続ける。