せ ん せ い
「大槻は、おれのこと……そうかそうか」
えええええ。
気味悪い笑顔を浮かべながら、わたしの頭をヨシヨシと撫でる斎藤先生。
これはもう、明らかに、確実に、100%勘違いしている。
「素直になれば良いのに」
「は!?マジでガチで訳わかんないんだけど!!」
「まぁ先生、大槻の素直じゃない生意気なとこも嫌いじゃないしな」
「黙れセクハラ教師」
「この反抗期も、山を越えれば大人になれるって信じてる」
「反抗期じゃないし、心の底からの反抗だから」
あぁ、もう、マジでどうしよう。
なに言っても無理だ、今のこの人には。
我慢出来ずに立ち上がって、ドアに向かって逃げようとすると、後ろから腕をしっかりと掴まれる。