せ ん せ い
さすがに聞き流すわけにはいかなかった。
おかしいでしょ、絶対に!
なんの権限があって、生徒の放課後を奪うの。
今日は帰ってドラマの最終回(再)見て、新刊の漫画買いに行くっていう予定が入っているというのに。
「丁重に、お断りしま……」
「あ、チャイムなった。また放課後な」
わたしの言葉を遮るように鳴ったチャイムに反応した先生は、机に視線を戻してヒラヒラと手を振った。
いつものことながら、シカトなんて酷い。
涼しい横顔をキッと睨んで、わざとバタバタ足音をたてて職員室を出ていく。
ドアを閉める際も、激しい音をたてるのを忘れずに。
くっそー、あの鬼教師め。
絶対、言うことなんて聞いてやるもんかっ。