せ ん せ い
隣のクラスの高橋さんは、色白で小柄で大人しい、パッツン前髪がトレードマークの女の子。
雑誌でオススメされていたベージュのカーディガンや、華奢なハートのネックレス。
キレイに塗られた薄いピンクのマニキュアも。
ふんわり巻いた髪の毛や、ほんのり紅いチークも。
全部似合っちゃう、可愛い子。
坂本がそんな子を好きだと聞いたとき、今まで感じたことの無い焦りを覚えた。
1年の頃から来てる黒のカーディガン、ほぼスッピンの薄い化粧に、キューティクルぼろぼろの髪。
こんなんじゃ、ダメだ。と。
急に、自分の全てを否定したくなった。