せ ん せ い
「せ、先生私のこと好きなの…!」
「うん」
「『うん』ってそんな冷静な!!先生なのに!!生徒なのに!!」
「お前は少し冷静になろう」
先生は手を握る力を強め、ようやく淡い笑みを浮かべた。
バクバクいってる心臓は、痛みさえ感じる。今にでも呼吸が止まりそう。
「ちょ…先生は……先生だから…マズイし…てか、私今日失恋したばっかりで…」
「うん、だから」
あたふたする私とは対照的に、先生は冷静だ。なんとなく、大人の風格を見せられてるみたいで、しかもこの状況だから心拍数が余計に増す。
そして先生は、私の手を握ったまま再び立ち上がって言った。
「考えといて、卒業式までに」
堂々としてる言葉とその態度に、目も口も塞がらないでいると、先生の顔は徐々にイタズラな笑みへと変わってゆく。