せ ん せ い
「……じゃあ、何でだよ」
よっぽどわたしのことで悩んでいるのか。
溜め息混じりにコチラを見つめる先生の目は、うつ向いたままの上目使い。
男子は女子の上目使いにときめくと言うけれど。
それは逆でも通用するらしい。
要するに、色気のある目付きにドキッとしたっていうこと。
しかも、その威力は半端なく。
今まで見たこと無いくらい、哀愁漂う大人の雰囲気だったから、柄にもなく肩が大袈裟に揺れた。
しかも、なんか顔が熱い。
なんでだ。相手は斎藤先生。
とりあえず、これ以上の目に見える動揺が見られないよう、目を泳がせる。
そして、おそらく赤くなっている顔がバレないように、下を向いた。