せ ん せ い







「……じゃあ、何でだよ」



よっぽどわたしのことで悩んでいるのか。

溜め息混じりにコチラを見つめる先生の目は、うつ向いたままの上目使い。




男子は女子の上目使いにときめくと言うけれど。


それは逆でも通用するらしい。



要するに、色気のある目付きにドキッとしたっていうこと。



しかも、その威力は半端なく。





今まで見たこと無いくらい、哀愁漂う大人の雰囲気だったから、柄にもなく肩が大袈裟に揺れた。


しかも、なんか顔が熱い。

なんでだ。相手は斎藤先生。



とりあえず、これ以上の目に見える動揺が見られないよう、目を泳がせる。

そして、おそらく赤くなっている顔がバレないように、下を向いた。




< 8 / 50 >

この作品をシェア

pagetop