涙帳*一行のことば*

ふ あ ん



入部して1ヶ月くらい経った頃、辻先輩は部活に
来なくなってしまった。なんだか心配だった。

1カ月と一週間しても、二週間しても、辻先輩は来なかった。


「もみじ、部活の時元気ないよねー。何かあったの?」
「教室にいると元気だよね、どうした?」

部活の休憩時間、部活の友達の佐崎あかりと加藤柚葉は
私に心配してくれた。いつも一緒だし、(柚葉はクラス違うけど)
思い切って話してみようかな・・・そう思い始めた。


「あのさ、最近辻先輩来ないよね。病気とかだったら、どうする?」

「あー、いままでほとんど休んでなかったらしいしね。何かあったんじゃないの」


辻先輩は部活でもそこそこ成績を残していて、16人中いつでも4,5番には
入っていた。そんな辻先輩がなぜ来なくなるのか、心配でたまらなくなった。








────どうしてこんなに気になるか、分からないけれど。


年上だし、親しいわけでもないし、彼女がいるかどうか
それすら知らない。


だけど、だけど、


あなたを心配していても、いいですか?
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