涙帳*一行のことば*


夜、自室のベッドでいろんなことを考えた。


明日の服のコーディネートとか、化粧の方法とか、
髪型とか、すごく楽しくてしょうがなくて・・・
そんなときだった。下から私を呼ぶ声が聞こえた。

「もみじー、ちょっと下にきなさーい」

母だった。なんだろう?
怒られるようなことはしていないから、大丈夫だと
思うけどな。

でも怒られることもちょっとだけ想定しながら
覚悟を決めてリビングに向かった。


バタン


「どうしたの?」

母はにこにこした顔でこっちをみていた。

「もみじの部活、すごいのね、県大会で優勝した部活なのね」

新聞のある一面には、私たち一年生はまだ参加していない
県大会の記事が載っていた。


知らなかった。


「知らなかった、優勝したのは知ってたけど、新聞に載ってたんだ!」

そこには二年生と三年生が優勝旗と賞状を持って
集合写真を持って並んでいる写真が大きくあった。
憧れにみちた目で、私はじっとその写真を見た。



あれ?
< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop