涙帳*一行のことば*
女子高生らしく、デパート行って
雑貨をみて、プリクラを三回くらい撮って、
アクセサリー買って、定番のファーストフード
店に向かった。
なんか、こんな楽しいの初めてだった。
店で今日買ったアクセとかずっと眺めながら
みんなでハンバーガー食べた。
そんなときだった。
「いらっしゃいませー」
その店員の声と同時に入ってきたのは、
たしかに見たことのある顔だった。
かっこよくて、細くて、
やさしそうな表情で、
私の憧れの人そのものである
辻先輩だった。
一人だった。
17歳といっても、一人でこんなとこ来るなんて
なんかめずらしい気がする。
私はそこでもう、見なかったことにした。
あっちも私をみた気配なんてなかった。