vivid
「言われなくったって、それくらいわかるよ」
いや、こっちは全っ然わっかんねぇけどな。詳しいことは後でキティに聞きゃあいい話なんだが。
「じゃ、俺は陛下に報告しに行かなきゃなんでこのへんで!姐さんは兎も角そっちのおにーさん二人は死なないように頑張ってくださいね~」
「あ!?てめっ、待て!一発殴らせろ!!」
「え~?なんでっスか!やっスよ、そんなん!!」
サッサと帰んな、と言いながらシッシッと手で払うような仕草をするキティの横から赤い敵を追いかける。が、逃げられた。すばしっこい奴め。
無駄な労力か、と殴るのはまたいつかの機会にしとおこうと思った矢先、ガキが何か思い出したように"あ、"と言いながら立ち止まった。
「まあ、おにーさん二人はもしかしたら死なずに済むかもしれないっスけどー、あのワンコみたいなおチビちゃんはマジで死んじゃうかもしれないっスねぇー!」
最後に"気をつけてくださいねー!"と声を張り上げて消えていったクソガキが憎い。
キティを見れば清々しいくらいの笑顔。
色男の手はとっさに剣の柄を握っていたが、その手は震えている。
笑顔の圧力。女は、特にキティは、怒ると怖いなんてもんじゃない。
「ルーイのことまでバレてたとはねぇ…さぁて、何か言い訳したいことはあるかい?」
きっと…いや、確実に、俺たちへの説教は頬を抓るくらいのことじゃあ済まされないはずだ。
いや、こっちは全っ然わっかんねぇけどな。詳しいことは後でキティに聞きゃあいい話なんだが。
「じゃ、俺は陛下に報告しに行かなきゃなんでこのへんで!姐さんは兎も角そっちのおにーさん二人は死なないように頑張ってくださいね~」
「あ!?てめっ、待て!一発殴らせろ!!」
「え~?なんでっスか!やっスよ、そんなん!!」
サッサと帰んな、と言いながらシッシッと手で払うような仕草をするキティの横から赤い敵を追いかける。が、逃げられた。すばしっこい奴め。
無駄な労力か、と殴るのはまたいつかの機会にしとおこうと思った矢先、ガキが何か思い出したように"あ、"と言いながら立ち止まった。
「まあ、おにーさん二人はもしかしたら死なずに済むかもしれないっスけどー、あのワンコみたいなおチビちゃんはマジで死んじゃうかもしれないっスねぇー!」
最後に"気をつけてくださいねー!"と声を張り上げて消えていったクソガキが憎い。
キティを見れば清々しいくらいの笑顔。
色男の手はとっさに剣の柄を握っていたが、その手は震えている。
笑顔の圧力。女は、特にキティは、怒ると怖いなんてもんじゃない。
「ルーイのことまでバレてたとはねぇ…さぁて、何か言い訳したいことはあるかい?」
きっと…いや、確実に、俺たちへの説教は頬を抓るくらいのことじゃあ済まされないはずだ。