vivid
つまり、こういうことだろう。
キティは"グレイ師団の団員が提示する条件をクリアしてまわる"と言っていた。この血印はたぶん、クリアした証だ。
「まさかキティ、敵の指噛み切ったんじゃ……」
「馬鹿お言いでないよ。するわけないだろ、そんなこと」
「ですよね、スミマセン」
プリプリ怒る間にもキティは夕食をたいらげていた。まだ食べ終わらないイッシュは"この女ならやりかねない"と言わんばかりに頷いている。リグレイは"嫌い"と言われてから本当に黙ったままだ。
「さて、アタシは帰るよ」
リグレイが弾かれたように顔をあげた。が、"嫌い"と言われた手前、声をかけられないらしい。一瞬止まって、またドリアと格闘し始めた。やっぱりしみるのか食べるのがイッシュ以上に遅い。
たぶん帰るなだのなんだのっていう文句だろ。
「カードはルーイに預けるよ」
「え?」
「言わなくてもわかると思うけど、」
「なくさねぇよ」
「……いい子だね」
しっかりと両手に挟んでそう言うと、なぜかキティは一瞬だけ寂しそうな顔をした。
「いいかい、アンタたち。明日の午前中のうちには宿を発つこと!わかったね?」
「へーい」
軽い返事をしたオレと同時にイッシュが頷いた。
「気をつけろよ、キティ」
リグレイがようやく口を開いた。
歩いていたキティは一度立ち止まりはしたが、振り返ることはなかった。
キティは"グレイ師団の団員が提示する条件をクリアしてまわる"と言っていた。この血印はたぶん、クリアした証だ。
「まさかキティ、敵の指噛み切ったんじゃ……」
「馬鹿お言いでないよ。するわけないだろ、そんなこと」
「ですよね、スミマセン」
プリプリ怒る間にもキティは夕食をたいらげていた。まだ食べ終わらないイッシュは"この女ならやりかねない"と言わんばかりに頷いている。リグレイは"嫌い"と言われてから本当に黙ったままだ。
「さて、アタシは帰るよ」
リグレイが弾かれたように顔をあげた。が、"嫌い"と言われた手前、声をかけられないらしい。一瞬止まって、またドリアと格闘し始めた。やっぱりしみるのか食べるのがイッシュ以上に遅い。
たぶん帰るなだのなんだのっていう文句だろ。
「カードはルーイに預けるよ」
「え?」
「言わなくてもわかると思うけど、」
「なくさねぇよ」
「……いい子だね」
しっかりと両手に挟んでそう言うと、なぜかキティは一瞬だけ寂しそうな顔をした。
「いいかい、アンタたち。明日の午前中のうちには宿を発つこと!わかったね?」
「へーい」
軽い返事をしたオレと同時にイッシュが頷いた。
「気をつけろよ、キティ」
リグレイがようやく口を開いた。
歩いていたキティは一度立ち止まりはしたが、振り返ることはなかった。