天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅤ（劣化版）

「ち、ちょっとちょっと、小夜ちん！」

雛菊が小夜に歩み寄る。

「龍太郎と決闘ってどういう事？龍太郎がまた何かしでかした？小夜ちんに迷惑でもかけたんだ？ごめんね、龍太郎には私からよく言って…」

そこまで言う雛菊の横を、小夜はスッ…と通り過ぎる。

「私と決闘して下さい、龍太郎君。そして、もし私が勝ったら…その…私と…つ…付き合っ…」

あのおとなしい小夜の口からこぼれる、大胆な発言。

どよめく周囲の生徒達。

成程、決闘の真意はそれか。

小夜も可愛らしい容姿ながら武道を嗜む。

古来より続く古武術・城山流の使い手だ。

時代錯誤ながら、こんな形で愛の告白をするのも頷ける。