密会は婚約指輪を外したあとで
「なゆさん。ウェディングドレス姿、綺麗だよ。似合ってる」
「ありがとう……。ハルくんもスーツ姿、大人っぽくて素敵だね」
少しの照れもなく褒めてくるハルくんは、高校1年の頃よりも、だいぶ背が伸びた。
拓馬や一馬さんとまではいかないけれど、170センチ前半ほどに成長している。
顔つきも大人びてきて、子どもっぽさが失われつつあった。
これは女の子が放っておかないだろうな……と勝手に想像してしまう。
式には拓馬やハルくんの従兄弟も出席してくれている。
特にハルくんと仲が良いみたいで、親しげに話し込んでいるのを見かけた。
クールな雰囲気の大学生くらいの男の人と。そのお兄さんらしき、明るい笑顔が印象的な人。
さすが拓馬の血縁……。
背も高く、美形揃いで気後れしてしまうほど。
それから、拓馬の先輩である翔さんや、私の元先輩の叶多さんも出席。
この二人は披露宴で写真撮影を担当してくれることになっている。
夜の披露宴で着るカラードレスは、拓馬に選んでもらった淡い水色のドレスだった。
式場見学や、ウェディングケーキのデザイン選び、会場の配色選び……。
中でもやっぱり、ドレス選びは一番楽しかったな、と思い返す。
赤、青、淡いラベンダー色……。
一生に一度のことだから。自分ひとりでは決めかね、迷った末に、拓馬が気に入ったという色に決定したのだった。
逆に、チャペルで着るドレスは、私が自分で選んだ。
裾の長いAラインのシルエットで、色はピュアホワイト。
以前から憧れていた、レースがたっぷり使われた純白のドレスだ。