幼なじみじゃイヤなんだ。
ベットから立ち上がり、ドアの方へ向かう。


未だに思考が暴走している姉貴に、小声でこうなった事情を説明し、部屋に押し返す。





「大丈夫!大丈夫!今度からノックするようにするから」





って、わかってんのか、どうなのか?




俺は、桜と姉貴とのやり取りの末すっかり目が覚めてしまった。


振り向くとにこにこ嬉しそうな桜がベットの上にちょこんと座ってこっちを見ている。





「やっと起きたね」





良く見ると、桜はもうすでに、出掛けるための準備が整っている。


リボンの付いたブラウスにショートパンツ。顔もいつもより…。





「桜。化粧してんの?」


「うん。でも、ちょっとだけだよ」


「へー。何かいつもと違うもんな」


「どう?似合う?可愛い?」


「……うん。似合うよ」





精一杯だった。


化粧をしている桜は、少しだけ大人っぽく感じた。


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