幼なじみじゃイヤなんだ。
電車に揺られ、目的地まで30分。


桜はニコニコしながら、窓の外を眺めている。



その横顔を見ながら思い出す。




小学校の間は、桜と俺は身長も体格も、あまり変わらなかった。




それでも、どんくさくて要領の悪い幼なじみに、手を貸してやらなきゃいけない。

そういう思いは、その頃からあって。




その時は、桜に対して兄妹の様な思いがあって、それが俺をそうさせていたように思う。





中学に入り、俺の身長が急に伸び始めた。




俺の体格がどんどん変化するにつれて、

桜がどんどん小さくなって、華奢になっていくように感じて。




その頃から、心にも少しずつ、気持ちに変化が起こってきて、桜のことを女の子として意識し始めるようになってた。





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