幼なじみじゃイヤなんだ。
「私だって可愛くなりたいなーって思っている女の子なんだよ。流瑠はさ、きっと私のこと、女の子になんて見てないのかもしれないけれどさ」


「え?」





俺がそんな風に思ってるって、思ってんの?


俺は誰よりも桜のこと可愛いって思っているよ。




誰にも負けないくらいそう思っているって自信があるよ。


誰よりも女の子として見てるよ。






でも、伝わっていないんだな。桜にはちっとも……。








胸にざわつきを覚えて、思わず桜の腕を掴んでいた。


びっくりした顔でこっちを見てる。




このまま言ってしまえばいい。





何にも考えずに、

幼なじみの壁なんて叩き崩してしまえばいい。






ただ、自分の気持ちに正直に……。


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