幼なじみじゃイヤなんだ。
「…あのね。実は昨日、マサと2人で映画に行ったの」


「ええっ!?2人でどこかに行くなんて初めてなんじゃないの?」




月曜日の朝の教室で、私と早苗はお喋りの最中。




「うん、初めてだった。あたしから誘ってみたの。ちょっとドキドキしたけどね」


「で?で?で?どうだったの?」


「うん。楽しかったよ。また2人でどこかに行こうって言ってくれた」


「さ、早苗!すごい!やったね!!」




照れながら話す早苗が可愛くて、私は話しを聞くのに夢中になっていた。


だから、教室中に溢れていた話し声が、一瞬消えた事にも気が付かなくて。


教室の入り口から、真っ直ぐ近付いて来る足音にも気が付かなくて。





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