幼なじみじゃイヤなんだ。
「女の子もいる…」





振り向いた姿勢のまま早苗が言った言葉に、ビクッと反応してしまった。




流瑠の横にいる女の子。


栗色の長い髪の毛は先が綺麗にカールされている。

目がキラキラ大きい可愛い子。




教室の一番前の席からじゃ、後ろで何を話しているのかは聞こえないけれど、彼女は流瑠の方を向いて何かを楽しそうに話している。




流瑠もその話しを聞いて笑ってる。





「……」





気が付けば私は、流瑠と彼女から目を逸らしてた。



そんな私をじっと見てた早苗がまた独り言を呟く。





「桜、早く気付きなよ」





その、声は、担任の先生が教室に入ってきた音でかき消される。
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