幼なじみじゃイヤなんだ。
「ねぇ、流瑠。それどういうこと?教えて?」





焦って聞き返す私の左頬に流瑠の右手が優しく触れる。



ドキッと胸が跳ねた。



こんな風に頬に流瑠の手が置かれることなんて、今までなかった。





温かい大きな手・・・


瞳の奥に感じる温かさも交わって、心地よく包み込まれている。

そんな感じがした。





「桜には分からないことだよ。俺だってどうしたらいいのか分からない」





そう言って流瑠は切なげな目のまま微笑んだ。
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