幼なじみじゃイヤなんだ。
頬に触れた流瑠の手に私の左手を重ね、右手は流瑠の左手を握る。




何も言わなくても流瑠には通じる。




私の頭に流瑠の額がそっと乗せられた。



充電───









『桜には分からないことだよ』





流瑠のことで分からないことなんてないと思っていた。





でももう、何でも言い合える子ども同士じゃない。


お互い知らない気持ちがあるのは当たり前。





言いたくないことは言わなくなるし、隠すためなら嘘だってつく。





流瑠もきっとそう。



私だっていつの間にかそういうことが出来る様になっている。





でも、それを寂しいと思う気持ちもあって。




何もかも知っていたい。

何もかも話したい。




そんな、流瑠から離れられない私はまだまだ子ども。




そんなんじゃ、いつまで経っても流瑠は私のことを、妹のようにしか見てくれないんじゃないかな?





『うっとうしい』って思われたくない。


『保護者』って言われたままじゃ嫌だ。








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