幼なじみじゃイヤなんだ。
* * *





マサくんは家の前まで送ってくれた。




家の中に入る前にチラッと流瑠の部屋を見上げたけれどまだ電気は点いていなかった。



溜息1つ吐きだしてから家の中に入ると夜ご飯のいい匂いがして。


煮込みハンバーグ。




靴を揃えて脱ぐ事も忘れて、急いでダイニングへと続く扉を開いた。





「流瑠!」





扉を開くなり思わずその名前を呼んでいて…。






「おかえり、桜。遅かったわね。あれ?流瑠くん一緒じゃないの?」





いない。





「え。あ、うん。今日は用事があったらしくて一緒に帰れなかった」


「流兄の用事って何だよ?女じゃね?お・ん・な」


「……」


「さ、さくら…おかえり!お腹空いたろ?ご、ごはんにしたらどうだ?」


「…うん」





夜ご飯を食べながら、お母さんと陸人とお父さんが順番に私に話してくる。





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