幼なじみじゃイヤなんだ。
上坂くんはその輪から離れて私に話しかけてきた。





「演奏会頑張ってね」


「うん。ありがとう。頑張って来る」


「時間になったら演奏聞きに行くから」


「うん」







「上坂くーん、早く行こうよー。次はアイスクリーム食べに行くよ~」





さっき上坂くんと一緒にいた女の子達の内の1人が、私と話している上坂くんを呼びに来た。






「悪いけど、先に行っててくれる?」


「えぇーっ。すぐに戻って来てよねー」






彼女は甘えた様に上坂くんにそう言ってから、私をチラッと見て去って行った。


明らかに、彼女は上坂くんのことを気にいっているみたいだった。





「いいの?上坂くん?」


「いいの。いいの。アイス好きじゃないし、彼女タイプじゃないし」


「!?」


「僕のタイプは相澤さんだから」


「なっ!?」





上坂くんは私を覗きこむようにニッコリ笑う。




< 342 / 606 >

この作品をシェア

pagetop