幼なじみじゃイヤなんだ。
私の頬が緩んでいく。


そして、その緩んだ笑顔のまま、ふと上坂くんの肩越しに目線をずらした。





「…あ」





目線の先に流瑠がいる。



流瑠は私をジッと見ていて。




さっきまで思い出していた流瑠とは違って、目線の先にいる流瑠の顔に笑顔はない。


冷たく見えるその表情。


気のせいだよね?



流瑠は、数秒、私と見つめ合った後、フッと目線を逸らし、一緒にいたクラスの友達に話しかけた。


そのまま、友達と話しながらこちらの方に向かって歩いてくる。





流瑠の顔を見て、3日前の抱きついた“充電”をまた思い出して、心に動揺が走る。





私のさっきまでの笑顔はすっかり消え、流瑠が一歩一歩近づいてくるごとに、心臓は爆発しそうなほど騒ぎ始めた。




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