幼なじみじゃイヤなんだ。
思わず目線が下がる。




目の前にきたら、何話そう。




そうだ、アイスのお願いするのが自然かな?




いろんな言葉が頭をめぐる。





来た!


よし、って気合を入れて顔を上げると、スッと私の横を通り過ぎる流瑠が横目に映った。





「え?」





思わず漏れる声。


気が付けば振り向いて、流瑠の後姿を目で追いかけていた。





「あれ?大石君とまた喧嘩?」





何かを感じ取ったのか、上坂くんが聞いてきたけど。





「ううん。してない……」





していないよケンカなんて。

 

私のこと気付いていたのに何も言わずに行くなんて。





どうして?


こんなこと初めてだった。
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