幼なじみじゃイヤなんだ。
今日は、部活だけじゃなくて、部活の後、上坂くんと勉強をする約束をしている。



その時、きちんと告白の返事をしなければならない。



流瑠のことは言えないけれど、「好きな人がいる」ってことはきちんと言わなきゃ。





「桜、いってらっしゃい」





お母さんが玄関まで見送りに来てくれた。





「うん、いってきます!今日、部活の後、友達と用事があるからちょっと遅くなるね」


「はいはい。でも今晩は流瑠くんの家と食事会よ。今日はお隣りで食べるからね。それまでには帰って来てね。それと……」


「ん?」





お母さんが私の耳元に話しかけてくる。





「…実の所はどうなの?流瑠くんとキスしたの?」


「なっ!?」





興味深々に聞いてきたお母さんに、思いっきり否定をして家を飛び出した。



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