幼なじみじゃイヤなんだ。
私の言葉を聞いた上坂くんの指がピクリと反応した。




それに心が痛むけれど、今、きちんと私の思いを伝えないと、どんどん上坂くんの傷を大きくえぐるような気がするから。



なにも言わない上坂くんの目を見つめながら、私は続けた。





「子どもの頃からそうだった。流瑠の笑顔を見るといつも、私はその笑顔に引き込まれる様に笑ってた。どんなに泣いてても、どんなに怒ってても、いつの間にか流瑠といると笑ってる。心が温かい気持ちでいっぱいになる」



「…でも、大石くんは他の子が好きなんでしょ?」


「それは、わかってる。でも、私の気持ちはそうなの」


「だけど、大石君は相澤さんにそう思われるのは迷惑なんじゃない?自分が、相澤さんの気持ちに応えてあげられないことに責任感じて傷つくんじゃない?」






その通りだと思う。





私を妹のように大切にしてくれている流瑠なら、上坂くんが言う様に責任感じて傷つく気がする。






だから……



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