幼なじみじゃイヤなんだ。
「私は自分の気持ちを口にしない。態度にも出さない」





上坂くんに言いながら自分にも言い聞かせる。





「無理だよ」


「そうだね態度に出さないってのは難しいのかもしれない。でも流瑠の気持ちを知った以上、自分の気持ちは絶対口にしない。隠して、嘘をつき通す」


「本気?」


「うん。流瑠のことは絶対に傷つけない」





隙だから絶対に…







「そっか、でも人の気持ちは変わるんだよ。僕が果穂のことを忘れて相澤さんを好きになれたように、時間と共に変わるんだよ?」






ごめんね、上坂くん。

でも、これからも私はきっと、





「きっとずっと流瑠を好きなのをやめられない」





私の手を掴んでる上坂くんの手を離した。




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