幼なじみじゃイヤなんだ。
流瑠との会話に少し空白が開いた。


その時、後ろから「チリン」と自転車がベルを鳴らす音が聞こえる。





流瑠が「危ないよ」と言い、私の肩に手を添え、自転車からかばうように私の横にピッタリ立った。




どくん!



また心臓が跳ね上がる。


その鼓動を押さえように、小さく深呼吸した私。



そんな私を流瑠が覗き込む。





「俺の目見て」






私の肩に添えられた流瑠の手に少し力が込められるのを感じた。


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